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解体工事の事故事例の種類と安全対策2つ


解体工事は、建設工事よりも危険が多く潜んでいると言われています。作業を行っている作業員だけでなく、無関係な一般の人を巻き込むような事故も実際に起きているので、作業中は安全対策を優先しなければなりません。ここでは、解体事故の種類と、事故例から学ぶ安全対策についてご紹介します。

解体工事の事故事例の種類2つ

事故には大きく分けて2種類のケースが考えられます。

①作業員の不注意

ひとつは、足場の崩壊や作業員の転落など、作業員の不注意によって起こった事故です。足場の固定が不十分だったために倒壊・崩落し作業員が負傷したり、ちょっとした確認ミスにより転落したりする事故は、安全対策を怠らなければ未然に防げる事故といえます。

②安全を怠った対応

一方で、コストダウンを優先したために安全が度外視されたために事故にいたったケースもあります。コスト削減のために現場付近に警備員を配置せず、重機と車両の衝突事故が起きたり、通行人が事故に巻き込まれるケースもあります。

また、本来ならアスベストの除去を行ってから解体作業をすべきところを、これを怠り近隣にアスベストを飛散させ健康被害が及んだケースも起きています。価格競争が厳しくても、安全対策に影響が出るほどの値下げは避けた方が賢明でしょう。

実際に起こった事故事例3つ

解体現場で起こった事故についてご紹介します。

①外壁が道路側に倒壊し、女子高生が死亡

2010年10月、岐阜県岐阜市のステンレス工場を解体中に、高さ約11メートルの外壁が約18メートルにわたって倒壊。自転車で通りがかった高校2年生の川瀬友可里さん(当時17)が下敷きとなり、死亡。作業をしていたクレーンの先端が足場に引っかかり、外そうとしたタイミングで足場が崩れ、壁が倒壊。通常なら外壁が倒れないようワイヤーで支え、歩道に警備員を置く措置が講じられるはずが、当該業者はそれらを怠っていたことが判明。非常に痛ましい事故で、当時は大々的に報道されました。

②重機が横転し作業員が死亡

2014年5月、東京・墨田区の労働基準監督署庁舎の解体中、作業をしていた重機が横転し、操縦していた58歳の男性作業員が操縦席に閉じ込められ、その後死亡が確認された事故。重機は小型のショベルカーで、鉄筋を挟んだアームを操作する際、バランスを崩してこんもりとした小山から転落したとみられています。

③工事用パネルが横倒しになり、通行人の男性が死亡

2014年8月、東京・日本橋のビル工事現場で、一般人の侵入を防ぐ工事用パネルが倒れ、50~60代の通りすがりの男性が死亡する事故が起きました。これは工事現場の外での事故ですが、一般の人を巻き込む恐れがあることを再認識させられた事故でした。

解体工事を未然に防ぐための安全対策2つ

解体工事は、安全第一で作業を行うことが最優先です。しかし、「安全第一」という抽象的な言い回しだけでは作業員への周知徹底が難しいものです。どのような行動や対策が安全につながるのかを具体的に理解しておく必要があります。

①起こりうるリスクを共有する

例えば、その日の作業にはどのようなリスクが伴うのか作業員同士で話し合ってもらいます。「今日は風が強いのでパネルの倒壊が心配」「雨で滑りやすいのでは」といった具合に、作業内容に潜む危険を指摘し合うのです。そして、それらの事故を防ぐにはどうしたらいいのか、意見を出し合います。「風に煽られないよう、パネルを強く固定する」「足元にいつも以上に気をつける」など、リスクを回避できる方法を模索しましょう。これで具体的な安全対策が明確になり、安全に気を配れるだけでなく作業がしやすくなります。

②第三者による監査機関を設ける

作業以外の安全対策として、巡視者などの第三者を設けることで、安全対策が本当に講じられているかどうかをチェックする機能を確保すると良いでしょう。また、5Sといって「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」を作業員に徹底することで、作業員のモラルが向上し、効率的に作業を進めていくことができます。

まとめ

解体工事の事故の中には「安全対策を怠り、起こるべくして起こった事故」と揶揄された事例もあります。反対に、作業員全員で作業中に起こりうるリスクを共有し、意識的に安全対策に取り組めば、事故を未然に防げるのです。事故例で挙げた痛ましい事故を繰り返さないためにも、安全対策の周知徹底を行うべきでしょう。

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